日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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101日本イスラーム史 ―7世紀から20世紀前半(1945年)まで―トはシュクリー駐伊領事はじめ中国、ロシア代表など200余名、日本政府から内ヶ崎文部政務次官、小橋東京市長、遠山満翁、松井石根陸軍大将、山本英輔海軍大将など名士300余名に達した。翌月に「東京イスラム教団」が結成され、名誉顧問:遠山満、川島義之陸軍大将、南郷次郎海軍少将など、顧問:若林半、加藤久、相談役:鈴木剛、団長:ナジムデン・モヒート、副団長:アブドゥルレシト・イブラーヒームが名を連ねた。さらに同年9月には東亜の新秩序建設を謳うたい「大日本回教協会」設立の運びとなり、千代田区麹町に事務所を置き、初代会長は林銑十郎(元内閣総理大臣、陸軍大将)、副会長を小笠原長生(海軍中将)と村田肖蔵(通信大臣、大阪商船社長)という威容を誇る顔ぶれを揃えた。協会の趣旨・方針は、(1)皇道精神に基づき回教諸民族と密接なる融和を図り、相互の文化通商、親善及び福祉を増進、以って世界平和、人類幸福に寄与する。(2)回教に関する調査研究の基礎を確立し、国内における各事業の指導、統制及び援助等を行う。(3)世界の現状に鑑み、回教徒との関係を密接にするため諸準備事業を行うとし、主要事業としては、(1)回教会館の設立、(2)親善代表の交換と斡旋、(3)回教地方留学生の招致、指導、世話。(4)回教地方へ医療、日本語の教授、親交機関の設置、(5)マッカ巡礼。回教大会への代表派遣が挙げられ、機関紙『回教世界』の発刊を定めた。同誌は昭和13年4月に創刊、16年1月1日第3巻12号で廃刊となっている。この事業の一環で日本に招聘された南方留学生の、パンギラン・ユースフ(元首相:ブルネイ)、ハリム・アブーバクル(弁護士:フィリピン)等が、戦後に日本の親善に果たした功績を忘れてはならない。イスラーム研究の分野も同年に「回教圏研究所」が設立されて、所長の大久保幸次、研究部長の小林元をはじめ、野原四郎、蒲生礼一などの精鋭が机を並べることになった。それから物資統制で窮乏する

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