日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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111日本のイスラーム、戦後の歩み ―20世紀後半から今日まで―られる。1953年の「日本ムスリム協会」の結成にかかわったムスリムでは、最近まで健在だった五百旗頭が今年(2010年)2月に逝ったため、現在では林ただ一人になった。諸先輩はある時期においてそれぞれの重責を果たし、初代会長の今泉は「多磨霊園」に、他の諸先輩は塩山の「イスラーム霊園」に眠っている。いずれも日本人ムスリムとして、人間味溢れる個性豊かな人格者で、戦後の厳しい環境の中で日本にイスラームの礎を築いた人たちである。「インナー リッラーヒ ワ インナー イライヒ ラージウーン」(げに我々はもともとアッラーのもの。そしてアッラーの許に帰り行くものなり)「日本ムスリム協会」は1968年に日本で初めてのイスラームの宗教法人として認可された。当時の機関誌によると会員数は僅か約60名と少数であった。しかし世界のイスラーム諸国からは常に温かい配慮と援助の手が差し伸べられていたことがわかる。中でもサウジアラビアの「世界イスラーム連盟」、エジプトの「イスラーム問題最高評議会」と「アズハル大学」、インドネシア政府、マレーシア政府はイスラーム国際会議や行事への招待、留学生の受け入れなど、日本人ムスリムに勇気を与えてくれたものである。

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