日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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117日本のイスラーム、戦後の歩み ―20世紀後半から今日まで―(二) イスラームへの関心が高まる時代的背景にあって、イスラームを紹介する書籍の出版は急務であった。この時期、特に「日本サウジアラビア協会」のイスラーム関連書籍の出版に対する尽力は大きかった。協会のエジプトやサウジアラビアの留学経験者を、著作や翻訳に推薦した。 ハディース『サヒーフ・ムスリム』(3巻)には、磯崎、飯森、小笠原、『正統四カリフ伝』(上・下巻)は森と柏原。『預言者伝』は中田考(ハサン)。『預言者の妻たち』は徳増輝子(ファーティマ)の執筆によるものである。 なおこの時期の協会活動に、出版だけでなく資金的な面においても常に支援の労を忘れなかった、アズハル大学の最初の留学生であった浜田の尽力は記憶に留めなければならない。 また最高顧問として、アラブ・イスラーム諸国での長い経験と幅広い人脈で、ことの要所で尽力された林の貢献も忘れてはならない。(三) 若いムスリムが増加し、彼らが家族を構成するようになっても、日本の生活環境は、ムスリム同志の日常の交流を難しいものにしている。会員がお互いに顔を合わせ知り合うことは団体組織の要でもあろう。一つの手段として始めたのが、年に1回の「イスラームキャンプ」である。2泊3日の限られた時間と場所の中でも、プログラムによる信者同士の交流と知識の習得を図り、あわせて一般人の希望者にも公開して、ムスリムの生活を体験する場となっている。この企画も今年で23年目を数える。

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