日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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118七.外国人ムスリムの増加とイスラーム環境の変化「石油ショック」の危機を乗り越えた日本の経済の発展は円高現象を生み、外国人ムスリムの日本への流入を誘発した。また一方で、国際社会におけるイスラーム諸国の政治的経済的地位の向上は、日本企業の進出やイスラーム諸国からの留学生や企業研修生の来日など、人的交流を急速に促進させた。現在では約10万人を超す外国人ムスリムが、首都圏を中心に全国の地域社会に居住している。礼拝所も各地域に確保され、ハラール食品も宅配便を利用すれば入手も容易になった。ムスリムとの国際結婚も増加し、今やイスラームは日本人にとっても身近な存在になったと言えるであろう。この間1982年には「アラブ イスラーム学院」が開設され、日本の学生や一般社会人に、組織的なアラビア語の教育とアラブ・イスラーム文化を紹介している。片山は開所当初から情熱をもってこの運営に協力し、プログラム推進の要となっている。また2000年に再建された「東京ジャーミィ」は、首都圏の本格的な礼拝堂(モスク)として、華麗で芸術的なオスマン・トルコ調のイスラーム文化と建築様式を一般に公開し、1ヶ月に千人以上の参観者があるほどの好評を博している。また日本的な手法でイスラーム理解講座を開設するなど、正しいイスラームの理解とイスラームのイメージアップにも大きく貢献している。かつて「日本ムスリム協会」だけであったイスラーム系宗教法人も、現在では「イスラミックセンター・

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