日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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119日本のイスラーム、戦後の歩み ―20世紀後半から今日まで―ジャパン」、「東京ジャーミィ」、「大塚モスク」、「名古屋モスク」、「神戸モスク」など6法人に増加した。近年では岐阜や福岡に新しいモスクが建設された他、中古ビルを購入してモスク風に改装したり、ビルの一室を賃貸して礼拝所(ムサッラー)にしているものもあり、合わせるとその数は全国で約60ヶ所になる。そのほとんどが特にパキスタンの各グループを中心とした外国人ムスリムの管理運営に委ねられているが、そうした傾向の中で唯一日本人ムスリムが自己資金で建立し、管理するモスクが四国の新居浜にある。管理者の浜中彰(スレイマーン)は数少ないリビア留学生の一人であった。現在は自分の特技とするスポーツを生かして、イベントの企画や、用具の販売業を営みながらモスクを管理し、主として在日外国人ムスリムの祈りと交流の場として感謝されている。「日本ムスリム協会」も、発足以来長年の課題としていた礼拝所兼事務所の確保が、1999年にマンションビルの一戸を購入することで実現した。最近では、今のスペースでは活動に支障をきたすようになり、より広い場所を確保すべく新たな動きが始まっている。ここで忘れてはならないことは、協会が発足して以来、サウジアラビア政府並びに歴代の大使閣下からは、多岐にわたる支援が寄せられたことである。戦後の足取りを1969年の協会誌に遡って見ると次のような記事がある。「現在日本におけるイスラームの教勢はまだ微々たるもので、日本人ムスリムは約二千人、外国人ムスリムは約千五百人、イスラームの団体は当協会を含め四団体であります」と。現在も依然としてイスラーム・マイノリティーと言われる日本だが、徐々にではあるが着実に伸張していると言えるであろう。

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