日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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121日本のイスラーム、戦後の歩み ―20世紀後半から今日まで―連のものが多く見られるようになった。特記すべきことは、同志社大学が「一神教学際研究センター」を創設して学生にユダヤ教、キリスト教、イスラームの教学の門戸を開放したことである。学部の教授陣には中田、四戸、サミール・アブドゥルハミード・ヌーハ(エジプト)がいる。また拓殖大学では2002年12月に「イスラーム法研究所」を開設して、クルアーンの解釈やハラール食品、イスラーム金融など、時宜に合ったテーマで講演会を定期的に開催して一般に公開している。これらの活動にも留学経験者の日本人ムスリムが中核になっている。その顔触れは森を所長とし、飯森、渥美、武藤、徳増、柏原、有見、遠藤、四戸他である。九.多様化した日本のイスラーム90年代後半になると、日本におけるイスラームは多様性を帯びてきた。その原因の一つは、日本のバブル期に始まった外国人ムスリムの増加にある。この現象が数年後には、外国人ムスリムの中に日本人女性と結婚して長期滞在許可を取得して定住する人や、事業を起こして成功する人を出現させたのである。こうした国際結婚によるムスリマたちは、家庭を大切にし、配偶者である夫の国のイスラームの慣習を大切にしながら、日本の習慣との協調を模索している。また一方、日本人ムスリムにも新しい傾向が見られるようになった。かつて若いムスリムが留学する時は、日本ムスリム協会の紹介や推薦を必要とする場合が多かった。しかし1990年代になると留学生の受け入れ国が広がり、手続きも簡素化したこと、さらには、航空運賃が安くなり海外旅行がより一

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