日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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122般化されたことで、個人的なルートでイスラーム圏への留学や旅行が可能になったのである。そうした日本人留学生の中には留学先で知り合った、日本人ムスリム同士、あるいは外国人ムスリムと結婚する人も出てきた。この現象は、留学生に限らず、企業で働く人にも海外勤務中に知り合い、結婚するケースが多くある。彼等は帰国後もそれぞれの分野で働きながら、執筆や日常の生活の中で布教活動を行っている。フランスで入信し、短命にして世を去った故中田香織(ハビーバ)の活躍は目覚しかった。シリアに留学した前野直樹(アハマド)、松山洋平(ムジャーヒ)、マレーシアに留学した塩崎悠輝(アフマド)、他にもサウジアラビアとマレーシアに留学した大木博文(アーディル)や在インドネシア日本大使館時代に入信した永井彰(A.アリフィーン)らがいる。両者とも国際結婚である。結婚前からお互いにイスラームの知識があり、結婚した日本人ムスリム家庭と、かつて一般的であった、結婚のために配偶者の一方が入信したムスリム家庭の場合とでは、イスラームに対する向き合い方にも違いがあり、生活のスタイルにも違いがある。近年になって見られる新しい動向は、ムスリム留学生の活動である。外国人ムスリム留学生の存在は日本全国の大学に見られ、多国籍のムスリム学生たちが同じ学園で生活を共にしている。彼等はイスラーム生活を守るために礼拝と交流の場を求め、地域的に礼拝所(ムサッラー)の確保に積極的である。具体的な例として、最近建設された筑波、岐阜、福岡のモスクは、学生たちの働きが大きかったという。大学にも近く、授業の合い間でも礼拝が可能であり、交流と憩いの場として喜ばれている。彼らはいず

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