日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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123日本のイスラーム、戦後の歩み ―20世紀後半から今日まで―れもIT知識に長けており、インターネットによる情報の交換と相互支援や布教活動にも連携している。さらに新しい動きとして、社会的、経済的、政治的なものがある。日本とインドネシア政府は「経済連携協定」(EPT)を締結し、1年前から数百人単位のムスリム男女が来日し、日本の老人介護の分野で働くようになった。またイスラーム諸国からの留学生や技術研修生の数も増加しており、今後も国際交流は拡大するに違いない。こうした多様性は、イスラーム社会においては一般的なことであるが、日本では未だ馴染みが浅い。多様化した日本のイスラームが、次世代を担う二世、三世の子供たちに、いかにしてイスラームの教理を教え、今後の日本社会といかに共存し、貢献して行くことができるのかが注目されるところである。十.宗教対話日本の宗教界は1970年代から、神道、仏教、教派神道、新宗教、キリスト教の5団体が協力し、国内外の宗教間対話による相互理解と世界平和実現を祈る集いや、研究集会、シンポジウムを開催している。特に「パレスチナ・イスラエル問題」については当初から大きな関心を寄せ、これまでにもイスラーム指導者を含めた世界各国の宗教指導者を招聘し、国際会議での対話の場を提供している。当初この運動に対する日本のイスラームの参加は、斉藤や森本を中心に、在日外国人ムスリムの協力を得ながら協会活動というよりむしろ個人的な人脈による参加であった。90年代になると世界情勢はイラクのクウェート侵攻と湾岸戦争、さらにはボスニア・ヘルツェゴビナでも内戦が勃発するなど、イス

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