日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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132ム社会はかつてない規模で膨張していくことになった。第一波:南アジア諸国からの流入仕事口が豊富な上、高収入が得られる日本は魅力的で海外から多数の労働者が押し寄せてきた。その中にはイスラーム圏からの労働者も含まれていた。特に目立ったのは、査証免除国であるパキスタンとバングラデシュからの入国である。しかし、査証免除といえども、原則的に観光などを目的とする短期滞在に対して免除されるものであって、就労する場合は資格外活動ということになり、違法である。にもかかわらず、当時は、資格外活動、不法残留による就労のケースが多数あったと想像できる。そして、ついに外務省は、バングラデシュ人、パキスタン人については1989年1月15日以降、査証免除措置を一時停止するという抑制策を打ち出した。その結果、1990年は両国からの入国者は激減し、また、それ以降不法就労者も減少したようである。表2、1985年〜1990年の約五年間のパキスタン人とバングラデシュ人の在留外国人登録者数を見れば、特に急増した様子もない。なぜならば、この数字は在留外国人登録者数であって、外国人登録をしない短期滞在者、不法残留者はカウントされていないからである。査証免除により入国した者が、引き続き在留を可能とする方法は、在留資格の変更という形をとるが、その場合、就学・留学または日本人の配偶者となることなどが一般的である。そういう理由もあったのか、この時期にパキスタン男性と日本人女性の国際結婚が目立ち始める。しかし、実際に何件の国際結

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