日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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146開堂から数年間マスジドが増えなかったのは、募金活動期間であったというのが理由であろう。マスジド購入がブームのようになりはじめた頃の2001年、9・11事件が勃発し、ムスリムたちは逆風を受けることになった。公安関係からマスジドや個人に対する監視が始まり、また、マスコミの偏重報道により、周辺住民からも厳しい目で見られるようになった。そういう状況にも関わらず、マスジドが増え続けたのは、やはり、動き始めたマスジド計画を止めるわけにはいかなかったのと、ムスリム側の周辺住民に対する細かい心配りがあったからではなかろうか。1995年あたりから、第三波として後発の外国人であるインドネシア人が流入しはじめた。また、留学生が年々増え始め、ムスリム社会はさらに膨れ上がった。マスジド購入計画は、主に南アジア出身外国人が中心となり行われていたが、2000年以降からは、留学生やインドネシア人も加わるようになった。もちろん、物件購入に当たり一部の日本人ムスリムが活躍していることも忘れてはならない。参考までに2009年の留学生数は、イスラーム圏から5位マレーシア2,395人、8位インドネシア1,996人、9位バングラデシュ1,683人、22位エジプト329人、26位サウジアラビア253人など(平成21年度出身国(地域)別留学生数、独立行政法人「日本学生支援機構」より抜粋)となっており、各国のムスリム比率をかけても数千人のムスリム留学生がいることになる。2009年は、マスジド総数が55個となり、2月に小樽マスジド、3月に福岡マスジドと、北海道と九州にそれぞれ二つ目のマスジドがあいついで開堂することになり、国内のすべての地方に複数のマスジドができた記念すべき年となった。(表5、表6参照)現在進行中のマスジド建設計画が各地で聞かれ、不動産物件が高騰しない限り、少なくとも毎年二、三個のペースで増えていくことになるだろう。

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