日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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179座談会 日本人が語る―イスラームと我々の未来現在、国内には約10万人のムスリムが生活し、そのうち日本人は約10%といわれています。私自身も入信して早50年がたちますが、そのころの日本人ムスリムは約2,000人、外国人ムスリムに至っては1,000〜1,500人といわれていましたから、実に小規模なスタートだったわけです。その後、日本の国際化とともに、アラブ・イスラーム諸国との交流が盛んになりました。当座談会を主催するサウジアラビアとは1955年に外交関係を樹立しています。ただし、当時の関係は日本が石油を輸入し、サウジアラビアへは電化製品・自動車などの工業製品を輸出する経済交流、および両国の政府高官レベルの交流が主体です。このあたりのお話は、片山先生がお詳しいでしょう。片山 そうですね。私はプラント建設を手がける企業に入社し、サウジアラビアに14年、それからイラク、ヨルダン、カタール、リビア、ナイジェリア…と、2000年までイスラーム圏で過ごしました。ムスリムになったのは1960年です。プラント建設というのも一種のアッセンブリー(組立)産業でして、ちょっとの手抜きが大きな問題につながります。そんなわけで、当初職人は全員日本から連れていったものですが、技術継承によって現地での雇用も可能になってきました。アラブの人は勉強熱心ですよ。おかげで30年間、失敗もなくプラント建設に携わることができました。日本に帰国後、「日本こそ、アラブ諸国の姿勢を学ぶべきだ」と思うようになり、2000年からアラブ イスラーム学院で活動しています。最近は、ムスリム2世のお子さんが、アラビア語を勉強しに当学院を訪れることが多くなった気がしますね。アラブ諸国に限らず、イラン、インドネシア、パキスタンの方も増えており、職業もダンサ

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