日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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181座談会 日本人が語る―イスラームと我々の未来にきた女子学生がいましたが、彼女をはじめ、当初イスラームとは直接関係のないテーマを研究していた若者が、イスラームに触れ、惹かれていくパターンが多いわね。東京大学で教えていた当時のこと、ある学生に「モスクに行ってみたい」と頼まれて、連れ立っていったことがあるけれど、彼はそのとき耳にしたクルアーンの響き、イスラームの音楽性に心酔して、大学院でイスラームの勉強をはじめたそうですよ。モスクといえば、日本で最初にモスクが建てられたのは神戸だったかしら。店田 1935年の神戸に建造されたのが最初で、次いで36年に名古屋、東京・代々木に38年…と続きます。片倉 そのモスクですけれど、やはり若い人たちの思いが実った例があってね。数年前、九州で講演会を開いたときに聴講してくれた九州大学の留学生と日本人学生の一部が、「ぜひモスクを建てたい」と皆で少しずつお金を出しあって、とりあえず土地だけ購入したそうです。私も「早く実現すればいいわね」と、応援の意味を込めて少し援助させてもらったけれど、それがもう、2009年には建物も完成したというじゃありませんか。やはり、若い人のパワーに期待できるというのは同感です。寛容性は日本とイスラームの共通点片倉 もう一つ、日本社会についていえば、9・11以降、欧米社会でアラブ系住民への差別や嫌がらせが問題化しましたけれど、日本ではそういった話を聞かないといいます。徳増先生のおっしゃる宗教的無関心もあるのでしょうが、それにも増して、私は日本人には受容力があると思うんです。

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