日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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185座談会 日本人が語る―イスラームと我々の未来フランス人ムスリムの友人から聞いた話ですけれど、当時はアルジェリアの対フランス独立戦争の最中で、友人も戦線に加わったものの、途中から「この戦争は間違っている」という思いが強くなり、脱走したそうです。砂漠の中を延々とヘリコプターに追いかけられるのを機銃掃射に当たったふりをしてやり過ごし、夜、アルジェリア軍に投降すると、丁重に迎え入れてくれたそうです。友人はもちろん、撃たれる覚悟で乗り込んだらしいけれど、ほら、アラブの人は砂漠の中で出会った人をいきなり撃ったりはしませんものね。ハンディキャップをもつ人も暮らしやすい国森 私も留学中のエピソードですが、マッカで驚いたことの一つに、身体的なハンディキャップをもつ人が、社会の中で健常人と変わらぬ暮らしを送っていることがありました。大学やモスクでも、目の不自由な方を普通に見かけたものです。今日、この座談会会場にたどり着くまでに大きな街のターミナルも通りましたが、目の不自由な方に気づくことはありませんでした。それほど、サウジアラビアではハンディキャップがある人でも暮らしやすいんでしょう。当時、目が見えないけれどタイプライターが非常に得意な学友がいましてね。彼が大学の講義をものすごい速さでタイプする脇に私がついて、用紙切れにならないよう差し込んでいくというタッグを組んでいたことがありました。大学では講義のテキストを配らないので、皆、彼のタイプが頼りです。サウジアラビアの大学では、彼らのようなハンディキャップをもつ学生には必ずサポートがつき、サポート役の学生にも奨学金を出すんですね。知り合いの教授いわく「そういった制度はア

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