日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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192に、福岡・札幌・小樽など全国に60ヶ所以上あるモスクの調査もはじめました。そういったアプローチの結果、2009年には全国のモスク代表者による会議が実現するに至っています。おりしも2009年というのは、当学創設者である大隈重信とアブドゥルレシト・イブラーヒームが会談を開いたちょうど100年目にあたるのですが、この会議によって、ムスリムの増加とともに子どもの教育問題、そして中・高年層の墓地の問題が浮上しつつあることが明らかになりました。奥田 私の学部にも今期初めてムスリム2世が入学してきたのですが、彼ら2世世代は精神的にマイノリティとして生きている点が非常に気にかかりました。2025年以降、ムスリムは世界人口の約3人に1人を占め、キリスト教徒を超えるマジョリティになるでしょう。日本でも今後10万人を超えていくと言われています。決して、マイノリティではないのですよ。店田 その点はムスリム代表者会議でも問題視しているようで、2010年の第2回会議ではモスク同士のネットワーク化を図り、ムスリムの生活改善や日本社会でのイスラーム理解を深めていこうとする動きが見られました。現在、私が気になっているのが、結婚によって入信した日本人ムスリムについてです。調査結果から推測する限り、そういった方は実態として結婚前と変わらない、つまりイスラームとは関わりのない生活様式を続けている例が多いのではないか、と思われました。今後はケアしていく必要があるのかもしれません。もう一つの課題は、やはり地域社会にいかに溶け込むかでしょうね。岐阜市で2008年に開堂したモスクの周辺住民へのアンケートによると、ムスリムとの交流は「ほとんどない」との答えが大

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