日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
198/220

194片山 その考え方を、私もアラブ諸国に駐在中、身をもって体験しました。1960年代のサウジアラビアはちょうど石油産業で国を興そうという時期でしたが、日本はまだプラント建設の実績がなかったので、アメリカなどが権益保持のため「日本では無理だ」と吹聴していたものです。一方、サウジアラビアは「日本に頼みたい」という姿勢を示してくれました。私を含め当時の関係者は、「サウジアラビアのために何ができるか」を懸命に考え、結果として日本のプラント技術はアラブ諸国から認められるようになったのです。森 やはり相互理解が大切ですね。ですから私も、研究所にお越しになる皆さんには「ハラールを取得したければ、まずはイスラームを理解してください」とお伝えしています。ハラールというのは、イスラーム圏の人にとっては食の安全ならぬ〝信仰の安全〞を保証するものであって、絶対に譲れ徳増公明(とくます きみあき)1943年生まれ。宗教法人 日本ムスリム協会会長。拓殖大学イスラーム研究所客員教授。経歴:拓殖大学 商学部貿易学科卒業。アズハル大学 イスラーム法学部卒業。1976年 アラビア石油株式会社入社後、東京本社勤務。1983年 同社リヤード事務所勤務を経て、1992年 再び、同社東京本社勤務となる。日本サウディアラビア協会/日本クウェイト協会 事務局長、拓殖大学 イスラーム研究所客員教授、宗教法人 日本ムスリム協会会長を務める。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です