日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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196えられなかったカアバ神殿だって、いまや写真撮影可という時代なのです。イスラームの根幹は変わらないけれど、枝葉末節の部分は変化して当然なんです。それを頭ごなしに「ダメ」というような慣習は、やがてイスラーム世界を衰退させる原因になりかねません。奥田 慣習的イスラームがよくない、というのは大賛成です。この座談会で、イスラームへの誤解を招いている要因の一つが確認でき、それだけでも甲斐がありました。徳増 皆さんの話には同感するところが実に多いですね。イスラームは特定の国民や民族に与えられたものではなく、全人類の宗教です。その証拠に、クルアーンを見れば必ず「人々」という書き方がしてある。それにイスラームでは、たとえほかの宗教の信者・民族であっても、お互いの立場や文化に敬意を表して生きていくのが基本ですから、日本に暮らすムスリムが仏教の儀式に参列することになっても、それはそれで構わないわけです。森 何を変え、何を変えないのかは、ムスリムそれぞれが暮らす地域ごとに最適な解答を見つけていくだろうし、また見つけるのがムスリムの義務だと思っています。もちろん日本人の側にも、彼らを受け入れる懐の深さが必要ですが。店田 日本在住20年以上になるムスリムに、「郷に入っては郷に従え」のことわざをもじって「5に入っては4に従え」といった知人がいます。是が非でも5ではなくて、4くらいでいこうじゃないか、というスタイルです。もちろんシャリーアは守っていますが、できるだけ日本社会に溶け込もうという姿勢が印象的でした。片倉 そういう話を聞くと「イスラームの見通しは明るい」と実感しますね。若者の中でイスラー

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