日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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198イコール目に見えること」だと思っている人が多い。だったら、シャリーアを重視した生き方から生まれる成果を見せるのが一番効果的です。自殺者の急増や高齢化、少子化などの問題が、イスラームの考えを取り入れれば解決できるとなると見逃さないでしょう。日本のような高齢化社会で未来を唱えても説得力に欠けますが、死んだ後、つまり来世があることを示されれば、幸せを感じる人はもっと増えると思います。イスラームに垣間見える武士道の精神森 マッカ留学中の話ですが、ある晩、パレスチナ人の友人が私の部屋のベランダに現れて「電気をつけてくれ」といってきました。つけると、そこで勉強をはじめたんです。「大学の試験があるのだが、友人が遊びに来ていて部屋で勉強できないから」と言うのです。私は帰ってもらったらどうだ、といったのですが、彼は「それはできない。試験は来年もあるが、友達は明日はいない」と答えた。20歳の学生が、言ったのですよ。講演会でそういったエピソードを紹介すると、年配の方から「昔の日本もそうだった。なつかしい」といわれます。なぜイスラームの若者がすばらしいかといえば、それは社会が若者を大切にするからです。かつての日本社会もそうでした。日本に暮らす外国人イスラームの人にとっては、ごく当たり前の長所かもしれませんが、その〝当たり前〞を日本で暮らすにあたり、あえて見せてほしいと思います。片山 私は駐在時に「日本人の精神とは何か」という質問を受け、非常に困った経験があります。そのとき思い浮かんだのが、明治維新後、西欧諸

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