日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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199座談会 日本人が語る―イスラームと我々の未来国に鼻であしらわれていた日本の精神性をまとめ、世界を感動させた新渡戸稲造の著書『武士道』です。武士道の教えには仏教も、神道も、儒教も反映されているので、日本人の精神性を語るのにはもってこいです。当時の精神を、現代の日本が取り戻せないものでしょうか。森 2009年に私どもの研究所ではブサイリ先生をお招きしたのですが、先生の姿を見ていたある日本人が「あれこそ武士道だ」と感極まっていましたよ。黒船来航後、初めて渡米した日本人一行を見たアメリカ人が何に驚いたかというと、武士の一挙一動だった。私たちもブサイリ先生の立ち居振る舞いのすべてに美しさを見て、19世紀のアメリカ人たちが武士にみたのと同質の感動を覚えたんですね。ただし、感性というものは、文化を踏襲した社会の中で培われてくるものです。非イスラーム社会森 伸生(もり のぶお)1951年生まれ。拓殖大学 イスラーム研究所 教授。経歴:拓殖大学 政経学部経済学科卒業。キング・アブドルアジーズ大学(在サウジアラビア・マッカ)アラビア語イスラーム研修センター卒業。ウンム・アルクラー大学(上記大学名称変更)イスラーム法学部イスラーム神学科卒業。拓殖大学 政経学部講師、在サウジアラビア日本国大使館 専門調査員、拓殖大学 海外事情研究所教授・海外事情研究所付属イスラーム研究センター長・イスラーム研究所教授、同所長などを務める。著書:共著『近代日本のイスラーム認識-田中逸平の軌跡から-』(2009年 自由社)共著『ユーラシア東西文明に影響したイスラーム』(2008年 自由社)共著『岩波イスラーム辞典』(2002年 岩波書店)など。

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