日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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201座談会 日本人が語る―イスラームと我々の未来くてはならない数多くの問題を抱えています。環境、人口増加、核兵器、貧困、地域紛争…。各国の政治家も平和的解決に向け調整を続けていますが、経済成長を担う立場にある彼らは、どうしても自国の利益を優先する選択をしがちです。そこで、人類の平和と福利を最優先するには、有識者・学者や宗教指導者の役割が重要な意味をもつことになります。1970年に創設された世界宗教者平和会議(WCRP)は、イスラームをはじめ諸宗教の指導者によって構成されており、現在は世界70ヶ国に拡大しました。奥田 日本支部ではどのような活動を行っているのですか。徳増 一例を挙げますと、2008年7月に開かれた北海道・洞爺湖サミットに先立ち、G8諸国ならびに世界各地から200名を超える宗教指導者を招いて、人類が直面する諸課題の解決に向けた会議(「平和のために提言する世界宗教者会議―G8サミットに向けて」)を主催しています。会議で採択された提言書は、当時の福田首相からG8首脳たちに届けられました。奥田 徳増先生の日本ムスリム協会も、WCRPのメンバーとして活動していらっしゃいますね。徳増 はい。少しでも平和実現への足がかりになれば、という思いから提案を続けています。多くの尊敬を集める宗教指導者の活動がもっと盛んになれば、人々の心を動かし、政治をも動かすことが可能なのではないでしょうか。奥田 徳増先生からのお話にもあったとおり、現代に生きる私たちは経済成長にばかり囚われ、物質的な豊かさだけを追求してきました。しかし、本当の豊かさとは何でしょう。イスラームでは一番豊かなのはアッラーであり、人間はすべからく貧しいとされています。そんな

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