日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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18が大きくなるとマッカを無血開城した。この時、クライシュ族の人びとは皆イスラームに加わった。ムハンマドの晩年には、アラビア半島のほぼ全域がイスラームとなっていた。マッカには、カアバ聖殿がある。「神殿」と訳することもあるが、アラビア語では「神聖なる館」という(38ページ参照)。神へ礼拝を捧げるための立方体の石造建造物で、神を祀っているわけではない。イスラーム以前には、この周りに360体の偶像が並べられていた。イスラームの立場から言えば、カアバ聖殿は古の時代に唯一神アッラーのために建造されたが、後に一神教が忘れられ、少しずつ偶像が持ち込まれたのであった。そのため、マッカがイスラーム勢によって征服されると、すべての偶像は破壊された。マッカとマディーナは、イスラームの二大聖地として今日まで続いている。簡単に言えば、カアバ聖殿のあるマッカは、唯一神アッラーのための聖域である。これに対して、マディーナには預言者モスクがあり、ムハンマドが信徒の模範となる教えを確立した聖域である。比喩的に言えば、マッカは神を求めて信徒が祈りを捧げ、巡礼に集まる集合点であり、マディーナはイスラームの教えを世界に向かって発信する出発点と言える。「帰依」という教え「イスラーム」とは、アラビア語で「帰依すること」「従うこと」を意味する。信徒を意味する「ムスリム(女性形はムスリマ)」は、「イスラームする人」つまり「帰依する人」のことである。さらに、神の摂理に

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