日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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20家章19節)と述べて、帰依し従うことの重要性を説いている。シンプルな教義イスラームは、どのような教義を唱えているのであろうか。宗教の教義というと、なにやら複雑な神学的な議論がありそうな雰囲気がただようが、イスラームの教義はかなり単純である。その要諦は、「二つの言葉」にまとめられる。それは「アッラーのほかに神なし」「ムハンマドはアッラーの使徒なり」というもので、これを公に認める者は誰でもイスラームの信徒となることができる。「アッラーのほかに神なし」とは、神が唯一であることを意味する。「アッラー」というイスラームだけの特別の神が存在するわけではない。唯一絶対の神をアラビア語で「アッラー」というのである。キリスト教の聖書でも、アラビア語版では「アッラー」と表記していることを見れば、それがよくわかる。次に、「ムハンマドはアッラーの使徒なり」とは、ムハンマドが唯一神から啓示を受け、それを伝える人であることを意味する。使徒はアラビア語で「ラスール」というが、英語ならばメッセンジャー、つまりメッセージを届ける人である。神の啓示(神の言葉)を預あずかる人が「預言者」で、その中でも、預かった言葉をメッセージとして広く知らせる人が使徒=メッセンジャーとなっている。「アッラーの使徒」という表現は、ムハンマドが神の側にいるように見えなくもないが、実際には、啓示の受け手側、すなわち人間の代表としてメッセージを受け取り、それを他の人びとに届ける、という位置づけとなっ

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