日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
25/220

21イスラームとはている。そうであるならば、この二つの根本教義から、もう一つ大事なポイントが生まれる。それは、唯一の神が存在し、その神のメッセージがムハンマドという伝達者を通じて伝えられる以上、そこにメッセージが存在するということである。メッセージとは、聖典クルアーンにほかならない。従って、イスラームの教義を言いかえると、聖典クルアーンを唯一神からの啓示としてムハンマドが受け取ったと信じることなのである。啓示の始まり啓示とは、どのようなものであろうか。クルアーンの啓示が最初に訪れた時、ムハンマドはマッカ郊外のヒラー山の洞窟で瞑想していたという。当時のマッカで享楽的な生活と社会的な不正が広まっていたことを憂うれえていたともされる。瞑想中の彼を、何者かが訪れ、突然、「読め!」と命令した。読み書きのできないムハンマドが、「私は読む者ではありません」と答えると、その何者かは彼を息が詰まるほど締め上げ、再び、「読め!」と命じたという。三度それが繰り返され、ムハンマドがとうとう観念して、「読め!」という言葉を復唱してみると、その何者かはその続きを言った。それが最初の啓示とされる「凝ぎょう血けつ章」の冒頭部分である。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です