日本に生きるイスラーム ―過去・現在・未来―
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72一.「グローバリゼーション」とは何か東大名誉教授の板垣雄三は、世界には二つのグローバリズムがあるという。 「 今日の世界では、米国が覇権的に設定する「標準」に基づくグローバリズムと、これとは別のイスラーム的アーバニズムのグローバリズムとがせめぎ合い、しかし、相互浸透しながら、全体として近代世界のあり方をかき混ぜ、突き動かして、編成させつつあるということに目を向けなければならない。」一これは1998年に発表された論文の最後で述べられていることである。今から10年以上も前に、9・11の同時多発テロ事件発生の前に書かれた主張であるが、現在世界の構造について見事にあてはまる。私たちは、特に日本人は、グローバリズム、あるいはグローバリゼーションといえば、欧米を中心とした現代世界の構図であり、情報網や交通手段が極度に発達した現代の世界的状況を指す概念であると考えている。しかも、今はグローバリゼーションが予想以上に進展した時代であり、世界はまるで「グローバルビレッジ」といわれるほど狭くなっており、すでにポスト・グローバリゼーションの時代を見据えていかなければならない、とさえ考えている。その一方で、世界第二位の宗教勢力を有するイスラー

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