サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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108はじめに私は1992年4月から1994年7月まで、サウジアラビア駐在の大使を務めた。サウジアラビアは気候、風土、歴史、宗教、何から何まで日本と違い、最初はずいぶん戸惑ったが、サウジアラビアの各界の人と付き合うにつれ、考えていることはそんなに違わないということが分かってきた。社会は違っても、相互理解は十分可能なのである。社会が違うだけに、かえって刺激があり、相互に理解しようとする意欲が強まるのではないかと思った。2年4ヶ月の短い勤務であったが、実り多い経験であった。サウジアラビアについての関心は任地を去っても持ち続けようと思った。そして機会があればサウジアラビアと日本の交流が一層深まるように努めたいと思った。以下は私のサウジアラビア在勤中の体験とそれに関連する感想を、断片的ではあるが、メモワール風に綴ったものである。サウジアラビアの政治 諮問評議会前ファハド国王は、1992年3月1日、諮問評議会の設置を発表した。私のサウジアラビア赴任の直前である。1992年9月、勅令により、ビン・ジュベール司法大臣が諮問評議会の議長に任命された。1992年4月、ビン・ジュベール大臣を表敬訪問した。ビン・ジュベール議長はマッカでイスラー

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