サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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116された。テーブルがコの字形に置かれており、ヘッドテーブルに花婿と親族が座ったが、後は席が決まっているわけではなく、適当に着席し、テーブルの上に盛られたアラビア料理を黙もく々もくと食べる。式次第は何もなく、花婿の紹介も、親族、友人代表の挨拶もない。食事が終わってヘッドテーブルの花婿たちが席を立つと、それを合図に皆がいっせいに立ち上がって退席した。これで男子側の披露宴は終わりである。午後11時半ごろだった。日本と比べてなんともあっけない披露宴だった。花嫁側の披露宴はだいぶ様子が違うようだった。出席した日本の婦人に聞いたところ、歌あり、踊りありで、花嫁が母親に連れられて皆のあいだをまわって挨拶するが、その後花嫁も皆に負けず踊った由である。真夜中ごろ、女性の会場に花婿が父親、兄弟と一緒に姿を現し、挨拶をしたが、そのときはその場にいた女性は皆いっせいにアバヤをまとって顔まで隠したとのことであった。やがて食事となり、終わったのが午前1時。ここで帰る者もいるが、多くの女性はそのまま残って踊りやおしゃべりを続け、お開きになったのは午前4時だったそうである。花婿は披露宴が終わると、親戚や友人の家でアラビアコーヒーやお茶を飲んで時間をつぶし、午前1時ごろ花嫁を迎えに行く。花嫁が最後まで残る場合には、いったん家に戻り、また出直すのがほとんどの由である。サウジアラビア社会における女性の地位は、なかなか理解が難しい。欧米ではサウジアラビアでは女性が差別されているというが、結婚披露宴に関する限りは女性優位といえそうである。また家の中では奥さんの地位は高く、家の切り盛りをしていると聞いている。大学進学率は最近では女性のほうが高い

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