サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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122「閣下におかれましては、外務省での11時11分の約束のご出発のご準備をお願いいたします。」「了解した。しかし、どうして分刻みにまで細かく調整するのかね?」「大使館から外務省までは26分かかりますが、到着は約束の2分前でなければならないからです。」こうして通話は終了した。その時私は自分に対して、時間厳守をするのが最もよいと言い聞かせた。その後、日本人にとって時間とは神聖なものなのだ、ということを理解した。私と妻、そして家族が日本での歓待の中で過ごした5年間は、たくさんの物語や経験に溢れていることは間違いない。家族のメンバー全員が、自分なりの方法でその期間を楽しんだのだ。妻は花を生けることの達人となり(これは、生け花という日本の芸術である)、また墨絵という絵も上達した。長女は東京の大学をデジタル芸術専攻で卒業し、写真や絵を愛するようになった。息子のライヤーンは日本語を愛し、私たちの離任後も日本での勉強を継続している。アッラーのご加護がありますよう(私の希望としては、日本人女性と恋に落ちるのは止めて欲しいということだ。同じ国の女性が最もふさわしい)。サウジアラビアの発展に向けて私は日本を知り、日本がどのようにして世界の経済大国となりえたのかを理解した。それは、間違いなく、日本国民の純粋さであり、その帰属意識と文化の深さと、失敗から立ち上がる能力と、個人に焦点を当てた明確で強力な教育政策に寄るものであろう。日本は諸国民に対する理想的な投資方法の模範となることに成功した。日本はその建国と発展に利用できるような天然資源を有していないにも関わら

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