サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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147私と日本るとかいった打算で親しくなるのではなく、人間と人間の結びつきを大切にする人たちだと思います。私は日本人が大好きです。早稲田大学大学院商学研究科での私の研究テーマは、サウジアラビアの広告倫理でした。広告研究の分野で著名な小林太三郎先生、講師としていらした東京経済大学の八巻俊雄先生の指導の下で「広報論」を学びました。先生たちは私の国の文化を理解しようと努力してくれました。イスラーム教徒の私は、毎日決まった時刻に礼拝をするのですが、セミナー中でもその5分だけは教室を抜けることを許してくれたのです。先生が自分の教授室の鍵を渡して「私の部屋に行ってお祈りをしなさい」と言ってくれました。これは大変ありがたいことでした。お世話になった先生方からは勉強だけでなく、マナーや人を思いやる優しさ、考え方など、たくさんのことを教えてもらいました。研究や勉強の面では厳しかったのですが、人間的にはとても優しく親切で、丁寧な先生方でした。今でも忘れられない先生がたくさんいます。こんな先生方の指導を受けて、私は1984年にサウジアラビアの広告状況についての研究で早稲田大学の修士号を取得することができました。その後、1988年まで成城大学博士課程でマーケティングを研究し、1999年にカイロ大学で博士号を取得しました。研究者の生活を終え、帰国してからの私は大学講師をはじめ、出版社や日本車販売会社に勤めるなど、いろんな職業にたずさわってきました。そして、キング・サウード大学経営管理学部長の時に駐日大使に任ぜられたのです。

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