サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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29アラブとの70年─ 林 昂氏インタビューこのような人生訓を、製氷工場から取り寄せた高さ1m くらいの氷柱をホテルの自室に置き、その表面に手ぬぐい、ハンカチなどをはりつけ、冷えたものからはがして、頭または肩にのせて涼をとりながら、何かと私に話しかけられる。70歳で意欲満々の闘魂には畏敬の念すら覚えました。― その結果として年内にまとまったのですから、大成功だったわけですね。林 そうですね。けれども次に、またさらなる難問があるわけです。つまり、その利権の区域というのは、サウジアラビアとクウェートの中立地帯というのがあって、その沖合の海底油田なのです。その中立地帯がカフジなんですよね。したがってサウジアラビアの利権をとったはいいけれども、今度はクウェート政府の利権もとらないといけないわけです。けれども、その当時クウェートは依然として英国の保護領だったのですよ。アラビアの地域はほとんどそうですが、英国のチャーチル首相にしても、みんな非常に長い大きな目で世界を見ていたんでしょうね。インドのお茶、セイロンティーとか、地理的な、軍事的な考えもあったでしょうけれども、そういう資源を求めて戦略的に動いていた。だからクウェートの石油利権には当然敏感です。幸いにしてクウェート現地の方々、いわゆる王家の方々、官僚の方々はわかってくれた。けれども、結局は英国との関係で、英国政府を相手にやらなければいけない。それでまた英国にも行ったわけですよ。結局、クウェート政府には、こと渉外事項に関する限り、一応、事前に英国外務省の了解を必

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