サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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31アラブとの70年─ 林 昂氏インタビュー要とする取り決めがあったのです。幸い、クウェート、サウジアラビア両国は良好な友好関係にあり、またタリーキー局長の構想するアラブ石油輸出国機構結成をよしとするクウェート首長家の英断もあり、懸案事項はすべて解決されました。その結果1958年7月5日にクウェート政府と山下社長の調印が行われ、これで合わせて1本、念願の、自前の石油掘削に向け第一歩を踏み出すことになったのです。― 当時は三菱商事からアラビア石油に移っておられたのですか?林 いいえ、そのときにもまだ身分は三菱商事ですね。― そうですか。1957年に行かれたときには、三菱商事から山下さんが社長をしておられた日本輸出石油株式会社に籍を移されていたと思っていたのですが、アラビア石油が1958年に創立された後に移られたのですね。林 そうです。― では三菱商事は、国益のために社員が長期間にわたって席をあけるのを許していたというわけですね。林 そうですね。さすがに三菱商事は世界を相手にしている商社ですから、大局的な見地から、やはりお国のためだということで。たいへんしんどかったと思いますけどね。

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