サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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33アラブとの70年─ 林 昂氏インタビュー1973年10月のオイルショック時にもお会いしているのですが、三木特使が運輸大臣を2度務めた経験から、「私は運輸大臣を2回やっています。その間、世界の鉄道事情はずっと見てまわりました。だけれども、日本の新幹線、これが本当に世界一だと思います。正確で速い。だからこのような広い国の運輸機関としては最適だと思いますよ。また、日本の公安事情、公安行政も、やはり外国ではあまり類を見ないぐらいすばらしいです」と言って、かなりお国自慢をされたのです。僕も日本のためだから、三木特使の自慢話を通訳しました。そうしたら、「たいへんありがたいお言葉ではありますけれども、われわれはそんなに急がないのですよ」とおっしゃいました。つまり、当時、三木さんが言われたのは、新幹線は時速300㎞と。300㎞で走ったらあっという間に行ってしまうのでしょうけれども、それで運ぶような荷物も人もサウジアラビアにはいないわけですから。ファイサル国王に「われわれはそんなに急がないのですよ」と言われてギャフンとしました。そのときに「われわれが今、優先的に考えているのは道路を隈なく張りめぐらすことなのです」と、おっしゃられました。それは確かにそうでしょうね。飛行機の発着、離陸ができるぐらいの道路がたくさんできましたし、貨物輸送もどんどんやっていますし、農村にまで道ができましたからね。― こんなことをお聞きするのは失礼かもしれませんが、林先生からご覧になったファイサル国王はどんな印象の方でしたか。

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