サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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36あって、利害を超えた情でつながっているというときに「兄弟」と言いますよね。そういう言い方が向こうでもあるのだなと思いました。林 そういうメンタリティは日本以上にあるのではないかと思いますよ。― それでは、日本に対して敬愛の情を示してくださったというのは、それまでの日本の姿勢が信頼に足るものと判断されたと考えて良いでしょうか。林 これには非常に古い物語があるわけです。その発端はエジプトの有名な作家が日露戦争で東郷元帥がロシアのバルチック艦隊を撃破したということを書いて、それがあちらの学校の教科書にも載ったことです。ですから、エジプトをはじめアラブ諸国の子供たちは、小学校の読本でもってそういう事実を知っているわけです。あちらは当時、ラジオとかいった伝達の手段があまり発達していないものだから、口伝えにどんどん伝わっていくわけですね。有色人種が白色人種を破った、アジア人がヨーロッパ人を破った、というような意味に今度はどんどん拡大解釈されて、そして結局、日本人を尊敬するに至っているわけですね。トルコには、今でも日本人に対する敬愛の情があるのではないですか。「トーゴー」という名前をよく子供につけていますよ。― その接見の席には他の方も大勢参加しておられたのですか。林 もちろんそうです。あのときは三木さんとファハド国王がまん中、その横に僕。大きなソファにこの3人が座って、かなり離れたところにずっと椅子があって、そこにはヤマーニ石油鉱物資

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