サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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64イルに分類する仕事をはじめた。書類のなかには、私の赴任に関する返事の下書きも混ざっており、私自身がタイプして本省に送付する最初の書簡として準備しなければならないことを知った。まずは指令を確認し、封筒類を開封し、その内容をチェックし、記録として取りはじめた。内容ごとにファイルに分類した後、その中から下書きを取り分け、タイプする必要があった。私は、ジェッダの本省では多数の部下を監督していた。業務ごとに適切な事務室があり、部下のなかにはタイプやアーカイブ(公文書の記録・保管)を専門にしている者たちもいた。そのことを考えると、私自身がタイプやアーカイブの業務をすることになるとは想像できず、ショックを受けた。しかし、領事担当の三等書記官や広報担当の参事官がタイプや外交書類を扱うことの方が考えられない。新しい任務がはじまった以上、必要なことは自分でやるしかなかった。大使秘書のマコダさんが、日本の外務省に送付するため、私と妻の旅券と4枚の証明写真の提出を求めてきたので、翌日の午前中には持参すると答えた。その後、ユーセフ氏がやってきて、私の仕事がつつがなく進んでいることを確認し、勤務時間は月曜から金曜までは午前9時から午後4時までで、土曜は午後2時までであり、それは週40時間の勤務時間を確保するためであることを伝えた。またユーセフ氏は、何か必要があれば岩瀬さんに手伝いを求めることができると付け加えた。私はある疑問を感じ、現地スタッフはすべて「〜さん」という家族名なのかと質問をした。するとユーセフ氏は笑顔を浮かべつつ、「〜さん」とは、ミスターもしくはミセスを意味するような言葉で、日本

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