サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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65より良き未来を約束するためにの習慣として相手に対して尊敬の意を込めて、「〜さん」と名前の直後に付けるのだと教えてくれた。また、日本人は握手や抱擁をあまり好まず、あいさつとして頭を下げるだけで十分であることをつけ加えた。次に、彼は私の給料について話しはじめた。まずは月給から支出する総額を計算し、任務が国外勤務となった点を考慮すると、最初の月給は720ドルほどになるそうだ。その後の昇給を考えると、月給は850ドルほどになるはずだと説明した。月給の3分の1を家賃として想定するのが適切であるが、私の月給では、大使館がある麻布近辺で住居を見つけることは難しく、前任者は1時間半かけて公共の交通機関で通勤していたと説明した。私は、「アッラーは信仰者の崇拝を忘れることなく信仰者を助けたもう」と答え、ファイルのキャビネットに戻り、その内容を把握し、今後の業務の分配を容易にしようとした。しばらく仕事に没頭していたら、電話が鳴り、勤務時間が終了したことを知った。事務室に施錠して1階に下り、通りに向かっていると、受付の女性が、電話でタクシーを呼ぶ必要があると教えてくれた。こうして大使館を4時半に退出し、40分後にホテルに戻ったところ、妻と子どもたちが私の帰宅を待っていてくれた。どうやら妻はルームサービスを注文する勇気がなかったようだった。そして屋上の庭に向かい、ビスケットを1箱注文し、夕食の時間である6時になるのを待った。こうして私は初日の勤務を終了し、はじめに言及したとおり、住居のことから職務内容までショックを受け続けたのであった。

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