サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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67より良き未来を約束するためにみながら眠りについた。翌朝、フロントで呼びとめられ、明日で部屋の予約が終わることを告げられたので、私は、大使館から近いホテルで部屋を取れるよう手伝ってほしいと頼んだ。それはタクシーの料金を節約するためでもあった。フロントは最善をつくすことを約束してくれた。東京の地図を片手にタクシーに乗り込み、道順を確認し、目にとまった建物やランドマークの印を入れた。大使館には9時少し前に到着したが、現地スタッフはすでに全員出勤していた。日本の習慣では職員や労働者は職場に所定の時間のおよそ20分前に出勤して、業務開始の準備を整えることを知った。また、習慣として、外交官たちは大使執務室に集まり、あいさつをして、最初のお茶を大使とともに飲み、その指示を仰ぐことになっていることも知った。習慣に従い、大使執務室に入ると、大使は笑顔で私を迎えてくださり、話は日本の政治情勢になり、当時最も若い首相である池田首相が率いる内閣の話題となった。多くの日本人は63歳の「若者」が首相の座をつとめることを好ましく思っていないとのことであった。私は、その新しい首相の本当の年齢は63歳ではなく、36歳なのではないかという感想を述べたのだが、大使は新首相の年齢は確かに63歳であるといい、日本人は経験を重要視する傾向にあり、その経験は68歳を超えるとよく、その経験が最良となるのは70歳から80歳の間とされるものなのだと説明してくれた。大使は、私に不動産業者との約束はいつなのかと質問し、ユーセフ氏が今日であると答えた。大使は、私に住居探しに専念できるよう許可をくれた。多少の英語を話せる不動産業者の営業マンが到着し、彼とともに大使館を出て、多くの家を見て回ったのだが、それらはブリキの家に似たものであり、面積は30㎡にも満たないようなものばかりだった。その多くには風呂がなかったが、営業マンによれば、日本

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