サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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79より良き未来を約束するために十二.「サファル(Safar:ヒジュラ暦[イスラーム暦]2月)」と「サファル(safar:旅)」大使館は本省からの外交パウチを受領し、そこにはサファル月の給料明細が示され、私の名前もそこに記載されており、私が赴任に際して要した費用の明細もあった。外交パウチには大使館の予算や給料の小切手も同封されていた。私は日本の外務省から外交官IDを受領し、それによって銀行に米ドルの預金口座を開設することができるようになった。サファル月の給料や赴任の経費は、領事部の支出から支払われた。当時の公定レートは1ドルが360円であった。同僚からは給料を受け取るときに、山田さんの目の前で給与袋を開封して数えることのないようにと注意された。この行為は侮辱であり、日本の習慣に反することであるという。日本人の素晴らしい点は労働における誠意、信頼、正確さであると教えられた。山田さんから給与袋を受領し、日本人に見習い、お辞儀で感謝の気持ちを伝えた。夜には妻とともに予算会議を行い、給料を目的別の封筒に分配した。一つ目は家賃、二つ目は光熱費、三つ目は食費、それも一般庶民が利用する市場価格を知った後の食費、四つ目は子どもたちの服や必需品、五つ目は医療費、六つ目は家族への仕送り、七つ目は緊急のための蓄え、八つ目は交際費で、そこには毎週1回の外食費も含めた。すべての封筒の中に入った金額はつつましやかなものだった。できるだけ節約と倹約に努める必要があったからであり、それは先延ばしにできない緊急のことであった。

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