サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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82「サファル(Safar:ヒジュラ暦[イスラーム暦]2月)」と「サファル(safar:旅)」の話の後で…ラシャーは再び前世紀である60年代の東京についての思い出語りを続けるよう求めてきた。彼女の評価によれば、その時代は日本の歴史において、また私の外交官キャリアにおいて記録に残されるべきだとのことらしい。彼女は今「サファル(Safar:ヒジュラ暦[イスラーム暦]2月)」と「サファル(safar:旅)」の違いも理解し、歴史上の出来事も理解している。今私たちが過ごしているのは、ラビーウ・アルアウワル月(ヒジュラ暦[イスラーム暦]3月)であり、前回に引き続き、その後の数ヶ月をたどろう。山田さんは今や80歳に近づいているが、いまだにかくしゃくとしている。体力は衰えているものの、その人柄はしっかりとしている。彼の表情や外見、人格には修行僧を思わせるものがある。とくにその謙虚で素朴な人柄、そして仕事や人付き合いのうえでの誠実さを指摘したい。彼は忍耐強く、つねに控えめな微笑を浮かべている。もちろん、退屈な人でもない。旅券や承認が必要な書類は、彼の事務室を経て適切に処理されている。つまり、朝にそれらが渡されるとアシスタントとともに処理され、領事部の印章が押され、勤務時間の終了前には戻ってくることとなる。彼は仕事を静かにこなし、めったに人と言い争わず、暖かな感謝の気持ちを示している。そんな山田さんから日本における主流の宗教である仏教と神道について多くを学ぶこととなった。大使館の白石さんは侍の子孫であり、マッカーサー元帥統治以前の日本の伝統や習慣について教えて

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