サウジアラビアと日本 ―その素顔と絆―
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85より良き未来を約束するためにれた。白石さんは日本が近隣諸国のことを慮おもんばかっていることを強調した。それは、彼らが日本で受けた知識と教育により強い国民経済を構築し、平和的な競争の方法によって、西洋社会に立ち向かうことを願っているからであると説明した。日本は軍事力の保有が禁止されたが、知識の分野では競争が可能であり、また、日本人の美徳とされている愛国心と信念により、強固な経済国家を構築することも可能なのである。たとえば、倹約と貯金は日本の主婦の美徳とされ、そのお金は銀行に預けられ、日本企業が必要とする資金として利用される。日本では多くの労働者が朝早くから夜遅くまで労働しているが、最低限の給料しか受け取っていない。それは製造コストを下げることによって、少しでも西洋に対する輸出の競争力をえるためである。こうして「日本製」という刻印はクオリティーを示すブランドとなっていった。大使秘書のマコダさんは、母親がアメリカ人で父親が日本人のハーフである。英語が堪能で、大使館に届けられた日本語の書類を優れた能力をもって英語に翻訳する。夫は優秀な医師である。彼女は上智大学の夜間部で教育を受けたのだが、女性としては初めての夜間部への入学であったという。もうひとりの大使秘書である小林さんは、両親ともに日本人であるが、由緒正しい家柄の出身で、英語が堪能で日本語の能力も高く、英語から日本語へと、大使が作成した文章を翻訳する。また、彼女は日本政府との連絡業務も行っており、つねに冷静沈着であり、他人の事柄に介入することはない。身だしなみもよく、パーティーや公式行事では伝統的な日本の衣装を着用していた。

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