2010年08月10日

文化部主催のシンポジウムを開催

サウジアラビア王国の「東京国際ブックフェア」参加を記念し、シンポジウム等のイベントも開催されました。シンポジウムは、日本記者クラブ、アラブ・イスラーム学院、東京ビッグサイト会議棟の3会場にて行われ、各会場は入りきれないほど多くの来場者に恵まれました。サウジアラビア・日本両国の有識者にパネリストまたは議長としてご参加いただき、両国のメディアや教育、女性の社会進出など今日的なテーマについてお話いただきました。活発な意見交換の場面もあり、有意義なものとなりました。

シンポジウムでは、ジャーナリズム、文化対話、教育の現状、アラブ文学など様々なテーマを扱い、サウジアラビアと日本の類似点、相違点、それぞれの魅力、両国の抱える課題などがトピックに上がりました。教育関係者、学生、企業の方、中東に旅行されたことのある方等々、幅広い分野と年齢層の方々にご出席いただき、サウジアラビアに対する関心の高さが伺えました。

7月8日(木)13:00-15:00 シンポジウム:「サウジアラビアと日本に於けるジャーナリズムの現状 」

日本記者クラブにおいて、「サウジアラビアと日本に於けるジャーナリズムの現状」と題したシンポジウムが行われました。パネリストには、アルジャジーラ新聞編集長のカーリド・アルマーリク氏、季刊誌「アラブ」編集委員の最首公司氏、日本経済新聞社編集委員の中西俊裕氏をお迎えしました。

アルマーリク氏からは「サウジアラビア王国における国内ジャーナリズムの現状」について、サウジアラビアのジャーナリズムの起源から現在に至るまでの経緯を中心にお話いただきました。ムスリム・ジャーナリストである最首氏からは巡礼のためにサウジアラビア入りをした際の出来事や、1973年の第4次中東戦争(石油危機)の際の話など自らの体験談を交えながら、日本とサウジアラビアのジャーナリズムの今後の協力体制についてお話がありました。中西氏からは「日本のジャーナリズムの現状」について、日本メディアのこれまでの中東報道を歴史を追ってご紹介いただいたり、国際報道の現状や今後の報道のあり方を、課題も含めてご提言いただきました。

7月10日(土)12:00-13:30
  12:00-13:30「スペシャル・セッション」「アブドッラー国王国際翻訳賞について」
  13:45-17:00「サウジアラビア・日本-未来への対話-」

東京ビッグサイト会議棟にて「スペシャル・セッション」が開催されました。議長にはサウジアラビア高等教育省のサーリム・アルマーリク国際統括官、パネリストにはイマーム大学のスレイマーン・アバルハイリ学長、キング・アブドゥルアジーズ大学のウサーマ・アッタイイブ学長をお迎えしました。

スレイマーン・アバルハイリ学長からは「アブドッラー国王のイニシアティブ-文明間対話に向けて-」と題し、二大聖地の守護者アブドッラー国王のご指導に基づくサウジアラビアの取り組みや今後に向けてのお話いただきました。ウサーマ・アッタイイブ学長からは「情報化時代における大学の国際化へ向けて-キング・アブドゥルアジーズ大学の事例から-」と題し、2005年から実施されている戦略的な計画の例や、次の5年間へ向けた抱負など具体的なお話を伺うことができました。サウジアラビア国内でも長い歴史があり、教育面でも定評のある2大学から学長をお招きし、現場の実状を伺うという貴重な機会となりました。

続いて、「アブドッラー国王国際翻訳賞について」と題した講演会が行われました。講演者にはアブドッラー国王国際翻訳賞事務局のサイード・アルサイード総事務局長をお迎えしました。アブドッラー国王国際翻訳賞を設けるに至った経緯や目指しているもの、選考の基準など具体的な取り組みについてお話いただきました。この講演では、翻訳事業の発展が、相互理解や人間の能力の向上、他者と共存していく社会の構築につながるというアブドッラー国王のご構想の偉大さに触れることができました。

引き続き、3つのセッションからなる「サウジアラビア・日本-未来への対話-」シンポジウムを開催いたしました。

第一セッションは「サウジアラビアと日本に於ける伝統と国際化-共存か対立か-」と題し、議長にサウジアラビア高等教育省アドバイザーのムハンマド・ヘイザーン氏、パネリストに東京大学名誉教授の板垣雄三氏、在UAEサウジアラビア大使館文化部のアブドッラー・アッターイル文化アタッシェをお迎えしました。

板垣名誉教授からはイスラームの考え方をわかりやすくご紹介いただきました。また、日本の「和」の精神やリヤードで開催されたフォーラムに参加された際のご自身の体験談を挙げながら今後につながるメッセージをいただきました。アブドッラー・アッターイル氏からはメディアを通したグローバリズムについてお話いただきました。欧米からの一方的な情報の配信等、メディアの問題点も提起され、これらに対するサウジアラビアの取り組みについて紹介がありました。

第二セッションは「国内外におけるサウジ女性の挑戦」と題し、議長に国際日本文化研究センター、総合大学院大学の片倉もとこ名誉教授、パネリストにプリンセス・ヌーラ・ビント・アブドゥルラハマーン大学からアーイシャ・アルフサイン氏、ナジャーハ・アルカブラーン氏のお二方をお迎えしました。

アーイシャ・アルフサイン氏からはサウジアラビアの女性教育の歴史を建国以前にまでさかのぼってお話いただきました。厳しい道のりではありましたが、政府の政策や方針により今日のサウジ女性の姿があるとのことで、日本の歴史にも通じる部分がありました。ナジャーハ・アルカブラーン氏からはサウジ女性の抱えている課題について具体例を挙げながらお話いただき、問題提起に止まらず、解決策についても提案がありました。育児施設の必要性など日本社会が抱えている問題とも共通するものもあり、働く女性側の関心が強かった印象を受けました。議長の片倉名誉教授もご自身の体験を基にわかりやすくまとめてくださり、大変好評でした。


「サウジアラビアと日本-未来への対話-」シンポジウムより

第三セッションは「サウジアラビアと日本-外交関係からパートナーシップへ-」と題し、議長にはサウジアラビアのウンム・アルクラー大学のムハンマド・アルオメイリー教授を、パネリストには駐日サウジアラビア王国のアブドゥルアジーズ・トルキスターニ特命全権大使、衆議院議員の小泉俊明氏、サウジアラビア王国外務省在外学院部のユーセフ・アルシャーイル部長をお迎えしました。

アブドゥルアジーズ・トルキスターニ大使からはサ日間の外交関係が戦略的パートナーシップの段階に至った経緯や、実際に行われている交流活動などについてお話いただきました。大使は、ご自身も日本留学の経験があり大の親日家でいらっしゃいます。日本の方々も気さくな大使のお人柄を垣間見られたことと思います。小泉俊明議員からは先般ご自身がサウジアラビアを訪問された際のお話を含め、日本とサウジアラビアの関係や、今後の協力が必要となる分野についてなど、両国の展望をお話いただきました。今後女性の果たす役割が大きいというお話は良い刺激になったのではないかと思います。ユーセフ・アルシャーイル部長からは研修所の設立など人材開発分野に於ける具体的な協力体制の例を挙げながら、今までの、そして今後のパートナーシップについてお話いただきました。議長のムハンマド・アルオメイリー教授には、経済的な関係について数値を挙げながら、両国の関係が今後の展望も含めて明るいものであることをご説明いただきました。

7月11日(日)
  10:00-11:00「サウジアラビアに於ける文学と詩の現状」
  14:30-17:00「高等教育と研究開発分野に於けるサウジアラビア・日本間の戦略的パートナーシップ」

7月11日は2つの会場で、シンポジウムが開催されました。

まず、アラブ・イスラーム学院では「サウジアラビアに於ける文学と詩の現状」と題したシンポジウムが開催されました。議長にはサウジアラビア王国高等教育省アドバイザーのアハマド・アンナシュワーン氏、パネリストにはアブドゥルラティーフ・ジャミール(ALJ)グループのサアド・アルガームディ会長、イマーム・ムハンマド・イブン・サウード・イスラーム大学のアハマド・アッサーリム教授をお迎えしました。

パネリスト自身が作った現代詩の朗読などがあり、興味深い発表がなされました。日本ではまだまだ馴染みの薄いアラブ文学ですが、原文の韻の美しさが聴衆を魅了し、文学をはじめとする芸術に国境はないことが示されました。その後行われた、アラブ・イスラーム学院の卒業式も盛大に執り行われました。

別会場、東京ビックサイトの会議棟では2つのセッションからなるシンポジウム「高等教育と研究開発分野に於けるサウジアラビア・日本間の戦略的パートナーシップ」が開催されました。

第一セッションは「サウジアラビアと日本の高等教育の今」と題し、議長にファハド国王安全保障学院のファハド・アルマーリク教授、パネリストに早稲田大学国際部長の大野髙裕氏、サウジアラビア王国議会のファハド・アルアブードゥド議員、キング・サウード大学のマージダ・アルジャルゥディ助教授をお迎えしました。

大野髙裕氏からは早稲田大学の国際化の取り組みを中心にご紹介いただき、サウジアラビアとも今後は両国の特性が生かせるような共同研究を行いたいという提言がありました。ファハド・アルアブードゥ議員には、知識経済を発達させるために必要なことについて具体的にお話いただき、また、大学の果たす役割が大きな比重を占めるであろうとの説明がありました。マージダ・アルジャルゥディ助教授からは、サウジアラビアの高等教育の歴史を中心にお話があり、サウジアラビアが「制度」、「量」、「質」という進展の三段階において高等教育を重視しているということに言及されました。


「高等教育と研究開発分野に於けるサウジアラビア・日本間の戦略的パートナーシップ」シンポジウムより

第二セッションは、「サウジアラビアと日本の大学間に於ける協力体制の効率化に向けて」と題し、議長に学校法人片柳学園副理事長、日本工学院専門学校、日本工学院八王子専門学校学校長の千葉茂氏、パネリストにキング・アブドラ センター文化対話局のアブドゥルモフセン・アルサミーフセンター長、東海大学の山田清志副学長をお招きしました。また、サウジアラビア王国大使館文化部のイサム・ブカーリ文化アタッシェもパネリストとして参加しました。

アブドゥルモフセン・アルサミーフセンター長からは、両国の教育制度を比較しながら今後どのような取り組みが可能なのかについてお話いただきました。包括的な内容に加え、翻訳作業の充実化や研究者等の派遣手続きの簡素化といった具体的な提案もなされました。お互いを理解するには交流が重要であり、紙の上での取り決めだけではなく、具体策の検討が今後必要不可欠となってくるでしょう。山田清志副学長からは、東海大学の国際交流の取り組みについて例を挙げてご紹介いただき、また、両国の大学間交流を行うための必要条件についてもお話いただきました。イサム・ブカーリ文化アタッシェからは、教育分野での交流を中心に話があり、在日留学生数の推移を例に、欧米に向けられがちだった教育の視点が日本を含めアジア諸国に向けられてきているとの指摘がありました。また、留学生の日本での生活をよりよくするために語学教育に力を入れていることや学校の先生方との意見交換の場を設けていることなど文化部での様々な活動が紹介され、今後の取り組みについても抱負が語られました。

いずれのシンポジウムも満席となるほどの盛況でした。参加者からは質問や意見なども多く頂戴し、有意義な知識交換の場となりました。このようなシンポジウムの開催は、今までにない取り組みでしたが、来場者の多さにも日本の方々の意識の高さが表れており、両国の未来の明るさを感じさせるものでした。今後も引き続きこのような場を設けて参りたいと存じます。

遠い国の印象のあったサウジアラビアが、日本の方々にとって少しでも身近な国となっていれば幸いです。私ども、サウジアラビア王国大使館文化部も両国の更なる友好関係の増強、構築に向けて、精進して参る所存です。

 

サウディアラビア建国の祖

明哲なる王

留学生対象就職フェア2017

サウジ留学生ポータル

スルターン故皇太子殿下

サウジウィークin大阪

Innovation Forum